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ウバザメは古代生物?その超巨大魚はネッシーの正体だった?

  • 2022年12月1日
  • 魚類
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ウバザメ(英語ではBasking shark)のことを考えるとちょっと泣きそうになる。ジンベエザメ、メガマウスとともに三大サメのひとつなのに、なんか地味なウバザメについて調べたら、どんどん切なくなった。知れば知るほど愛着が湧くので、どんな生き物なのか?探ってみた。

生態

30th April 2020, Dublin, Ireland. Great Basking Shark, caught off the West Coast of Ireland, displayed in the Natural History Museum of Ireland on Merrion Street, Dublin. 出典:shutterstock

その生き様や、未確認生物と間違われた経緯などについて調べていきます。

一番になれないサメ。大きさは?

Basking shark in the secret ocean. 出典:shutterstock

サメどころか、魚類の中で一番大きい!のは、みんなの人気者、ジンベエザメ。ウバザメは、二番目に大きいのだが、ジンベエザメに比べてその知名度の低さです。そして、口もメガマウスに次いで二番目に大きいという、何においても二番手のサメなのだ。二番手って一番地味なポジションなのかも。でもその体長は、これまでの最大で12.2メートル!自分の体高よりも大きく開けることのできるその口の直径は2メートルを超えるものもあるという、迫力のサメなのだ。

無害なのに怖がられる。

ウバザメは、その巨体と大きな口で、怖いとか、人食いそうとか言われるが、至って無害なサメなのだ。食べ物はプランクトンや小魚。鋭い歯もなく、人が近寄っても危害を加えることは無い。目なんて小さくてつぶらで、むしろかわいい。

名前が地味

ウバザメは、漢字で書くと「姥鮫」。意味:老婆のようなサメ(地味!)。由来は、その特徴である長い鰓が老婆の皺みたいだから、ともいわれているが、もう少しましな名前にできなかったものだろうか。でも、いい奴だから多分気にしていない。

別名がもっとひどい

ウバザメは、とてものんびりしたサメで、人に対する警戒心も無い。それが災いしてすぐに捕まってしまうものだから、「バカザメ」という気の毒過ぎる名前で呼ばれることがあるのだ。因みに英語名 は「Basking Shark」(日光浴をするサメ)という。

餌の食べ方が微笑ましい。

水面近くを漂うように泳ぐ姿が日光浴をしているようだとつけられたらしい。そして、ウバザメの餌の食べ方もまたかわいい。ただ、大口を開けて入ってくるものを食べるだけ。濾過摂食といい、海水を膨大な量の水を飲み込み、その長い鰓で、餌となる動物だけを濾して取り込むのだ。あの巨体を維持するには相当量の海水を飲み込む必要があるわけだが、その量は1時間あたり約2000リットルにも及ぶ。この濾過摂食は、三大ザメのジンベエザメ、メガマウスにも共通する食べ方で、サメの中ではこの3種だけが行うのだが、その中でもウバザメの食べ方は微笑ましい。他の2種は、自力で海水を吸い込む様にして飲み込むのに対し、ウバザメは口を開けながら泳いで 自然に入ってくる水だけを飲み込むのだ。そしてその泳ぐ速度は時速3.6kmくらいと遅い。でも必要とあらば速く泳げる。もしかしたら、口をポカンと開けて、のんびり進むところがお婆さんっぽくて「ウバザメ」なんじゃないかとも思った。そう思うと名前にも愛着が出てくる。

生息地

あまりよくわかっていないが、回遊魚で割と世界中にいるらしい。熱帯や亜熱帯の海では、暑いせいか、水面近くに出てくることはあまり無い。

冬はどうしているのか不明

The basking shark under water. 出典:123rf

ウバザメは未だ生態に謎が多い生き物である。海面近くにプランクトンを食べに来ているが、水面近くで餌が少なくなると、水深1000メートルまで潜ることもあり、そのまま数カ月も海底にとどまっていたという記録もある。秋から冬のプランクトンがいない間は冬眠しているのでは、という説もある。

生息数が減少の理由

そんなのんびり屋さんのウバザメは、かつては沢山生息していた。しかし警戒心の薄いウバザメは簡単に捕獲できたのだ。そして、その結果、現在は個体数が激減してしまった。国によっては絶滅危惧種に指定されていている。また、ニュージーランドで発見されたとある巨大生物がネッシーと関係しているのではないか?と話題になった。このウバザメとの関係はあるのだろうか?調べてみよう。

ニューネッシーの正体はウバザメ?

1977年にニュージーランド沖で異様に大きい怪物の死骸のようなものが引き上げられた。その見た目から絶滅したはずの首長竜ではないかと騒がれ、ニューネッシー(ニュージランドのネッシー)と呼ばれたが、持ち帰ったヒレのDNA検査の結果、その正体はウバザメであろうという結論になった。それ以外にも、シーサーペントやプレシオサウルスのものでは、と考えられた死骸のいくつかは、ウバザメの死骸だと考えられている。

水族館にいる?

The basking shark under water. 出典:123rf

今の所、ウバザメの生体を展示している水族館は無い。個体数が減少していると同時に生体で捕獲することは難しいため、今後も水族館で展示される可能性は低いのではないだろうか。国内では、年に一回定置網にかかるかどうか、というほどの頭数がいます。2007年に茨城県で9メートルにもなるウバザメが陸揚げされ、その剥製は同県の「アクアワールド・大洗」で見ることが可能だ。アクアワールド茨城県大洗水族館には「出会いの海の大水槽」という水が1300トンも入る巨大な水槽があります。そこならウバザメも飼育できます。

スキューバダイビングで見れる?

Geologic landscape with a basking shark swimming in the sea foreground. Wild and natural area of the Isle of raasay in scotland, UK. Marine biology. 出典:123rf

しかしながら、自然に暮らすウバザメを見ることならできる。5月半ば〜6月には、英国のコーンウォールに多く集まります。英国のコーンウォールでは、ウバザメを見るための、スキューバダイビング体験ツアーなどもあります。

まとめ

ウバザメは、インパクトのある容貌と裏腹におとなしく、乱獲された結果、数少なくなってしまった哀れなサメだった。ニュージーランドのネッシーであるニューネッシーと思われることもあった。ダイビングでは人に近寄ってくることもあり、ウバザメのよくいる英国では、結構人気者なのだ。

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