私は海が大好きなのですが、中でもウミウシが一番好きです。それはとても綺麗で、小さく、青い海の中ではその色がとても綺麗に映えます。初めて見たときは本当に不思議な生物だなと思いました。私が知っている海の生物とは全然違ったので。今日は海の宝石とも呼ばれるお洒落番長「ウミウシ」についてご紹介しましょう。
生態
ウミウシはそもそもなんなのか。見た目、カラフルなナメクジですよね。彼ら、実は巻貝の仲間なのです。貝殻は退化して消滅しています。貝にはとても見えませんが、クリオネも巻貝の仲間で有名ですよね。彼らが持つ2本の触覚から海牛(ウミウシ)と呼ばれるようになったと言われています。春から夏にかけて産卵するのですが、ウミウシは雌雄同体なので同じ種が2匹いれば繁殖することが出来ます。
生息地
世界中の海に生息していて、浅い海底や岩場などで観察することが出来ます。
シュノーケリングではもちろん、磯遊びでもコツをつかめば見つけられるようになりますよ。
大きさ
ウミウシの体長は平均5cm程ですが、数ミリのものから大きいものでは20~30cmになるものもいます。
餌は?
藻類や刺胞動物、海綿動物などを餌として食べます。ウミウシは食べたものの成分を取り入れるという防衛手段があります。例えば、餌に含まれるわずかな毒を取り込み体の中で濃縮することで体に毒を持つことが出来ますし、藻類を食べ続けることで葉緑体を取り入れ、自分の細胞に吸収することで、光合成を行うことも出来ます。
小さくてかわいい彼らですが、貝殻をなくしたり、食べたものを自分のものに出来たりと、力強い生き方をしていますね。私が彼らを好きなのもそういった見た目とのギャップもあります。
寿命
ほとんどの種類のウミウシの野生での寿命は一年前後です。飼育下では三年程度長生きする個体もいます。
種類が多すぎ?
世界で3000種以上いて、日本近海でも500種程が確認されています。しかも、まだまだ世界で名前のないウミウシたちが発見され増え続けているのです。なんだか増え続けていると聞くと私でも新しい種類を見つけられるんじゃないか!とわくわくしますが、3000種以上もいたら、見つけたものが知られているものか照合するのがまず大変ですよね。
たくさんいる中で、日本で見られるウミウシを3つご紹介しましょう。
テングモウミウシ
こちらは葉っぱを身にまとった牛顔がキュートです。
その姿がとても可愛いのですが、この子は先ほどご紹介した、餌となる藻や植物を体内に取り込むタイプ。光合成をすることが可能なので、餌がなくても半年は生きられるそうです。可愛い姿をしていて、上手に生きている姿が好きですね。ちなみにこの子は八重島諸島の黒島で発見されました。体長はわずか5mmと小さい生物ですので、よーく見ないと見つけられませんよね。ただの海藻だと思ってしまいそう。こんなに可愛いウミウシを見つけてくれた人ありがとー!
ウデフリツノザヤウミウシ
これは、通称ピカチュウウミウシとも呼ばれます。黄色と黒の模様がピカチュウにそっくりなため、日本のダイバーの間ではピカチュウの愛称で親しまれています。海の中にピカチュウがいるなんて!本当に似ていて驚きです。この子は伊豆や沼津で見られます。
アオウミウシ
最後に、最もポピュラーな「アオウミウシ」。こちらはポケモンのカラナクシのモデルといわれています。全身がきれいな青に、体を黄色く縁どられ、オレンジの角が可愛いです。私がウミウシを好きになったきっかけです。結構どこでも見られ、磯遊びしていても岩陰なんかで見られますよ。とにかく色が綺麗で大好きです。
ペットとすることは出来る?
こんな可愛い彼ら。飼いたい人もいるでしょう。飼育することはとても難しいそうですが、出来なくもないようです。まず用意するものは海水と水槽。ウミウシは綺麗な海に生息しています。飼育下でも自然の海水を用意するのが一番ですが、難しい場合は人工海水の素が売られているので、それで作ってください。
次に餌。一番大変で、ウミウシはそれぞれの種類によって特定の餌しか食べません。カイメンをエサにするウミウシは多いですが、カイメンにも色々種類があり特定のものしか食べません。藻だったりイソギンチャクだったりコケムシだったり。餌はショップなどでは売っておらず、人工餌で育てることも出来ないでの自分で定期的に採取しなければなりません。こうなると結構難しいですよね。そもそもウミウシは上級者でも長期の飼育は難しいそうです。綺麗で可愛いので飼ってみたくもなりますが、難しいようなら飼わないのが無難かもしれませんね。
水族館で見れる?
新江ノ島水族館や、いおワールドかごしま水族館、魚津水族館などでウミウシを見ることができます。いおワールドかごしま水族館には「うみうし研究所」もあり、たくさんの種類のウミウシを見ることができます。
まとめ
私が大好きだと友達に言ったところ、何を食べるのかとか、毒はあるのかとか聞かれたことがありました。しかし、その時は姿形だけで好きだったので何も答えられず、落ち込んだのを覚えています。それから、調べるようになり、食べたものを自分の力に出来ると知り、もっと好きになりました。その時私に質問してくれた友達に感謝です。
ちなみに余談ですが、昭和天皇はウミウシを研究されていたそうです。そして、それを煮つけて食べてみたんだとか。それは美味しいものではなく「コリコリしていて咬み切れない」というのが、正直な感想だったとか。ちょっと食べようと思うには、勇気がいる見た目ですが、研究のために食されたことには愛を感じますね。飼育が難しく水族館でもなかなか見ることが出来ません。ですが、海では浅瀬にも生息していますし、コツをつかめば意外とすぐに見つけることが出来ますので、夏になったら、磯遊びやシュノーケリングで見つけてみると楽しいと思います。ナメクジにも似ている形をしていますが、なぜかとても可愛く見えるウミウシ。3000種類覚えるのは難しいですが、その中から自分のお気に入りを見つけるのもいいかもしれませんね。